映画音楽でも多数の賞を受賞している。主な賞に以下のものがある。
1975年グダンスクのポーランド映画祭で『約束の土地』(アンジェイ・ヴァイダ監督)の音楽で受賞、1980年アニメーション映画『王と鳥』(ポール・グリモー監督)の音楽でルイ・デリュック賞、1981年アイルランドのコーク国際映画祭で『遥かな国から:ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世』(クシシュトフ・ザヌッシ監督)の音楽で受賞、1992年『ドラキュラ』(フランシス・フォード・コッポラ監督)の音楽でロサンゼルスのアメリカ作曲家・作者・プロデューサー協会賞「ASCAP Award 1992」とサンフランシスコで1992年ホラー映画・最優秀作曲賞、2001年第三回TP S.A.(ポーランド電気通信株式会社)音楽&映画祭でフィリップ賞(生涯功労賞)、2006年『ペルソナ・ノン・グラータ』(クシシュトフ・ザヌッシ監督)の音楽でポーランド映画アカデミーのイーグル賞、1991年映画製作委員会賞。
1976年にはポーランド復興勲章のカヴァレルスキ十字勲章を、2002年にポーランド復興勲章の星付きコマンドルスキ十字勲章を受章した。
1991年にクシシュトフ・ザヌッシ監督がキラルの伝記映画『ヴォイチェフ・キラル』を制作。また、1998年にはオポレ大学から名誉博士号を授与された。
ヴォイチェフ・キラルは、現在彼の最も有名な作品である交響詩『クシェサニ(Krzesany)』を1974年に作曲するまで、ポーランド前衛音楽の代表格とみなされていた。1962年の『RIFF 62』は、音も形式も超近代的で、反伝統の象徴であり、未来宣言となった。時宜を得た『RIFF 62』は「ワルシャワの秋」音楽祭で大成功を収め、カロル・ストリヤ(Karol Stryja)指揮シロンスク・フィルハーモニー交響楽団は何度もアンコールを行った。これは新しい音楽では非常に珍しいことである。次に発表した『Generique』(1963)と『Diphtongos』(1964)も同様に好評を博した。その後、別の前衛音楽である「ミニマル・ミュージック」に傾倒し、『Upstairs-Downstairs』(1971)と『前奏曲とキャロル』(1972)の2作品を完成させた。
作曲家は、賢者の石を発見したように思えたと語っている。
「無限に続く音や協和音ほど美しいものはない、これこそが最も深い知恵であり、ソナタ・アレグロ、フーガ、ハーモニーといった我々のトリックとは違うのだ。」
実際、12分間の楽曲『Upstairs-Downstairs』では、最初から最後まで途切れることなく鳴り続ける2つの音がある。
今日振り返ってみれば、『クシェサニ』はまさにこのキラルのミニマルな作品群の後に、自然な流れで必然的に出てきたと見ることができる。というのも、それ自体がある意味「逆パターン」の「ミニマル・ミュージック」と言えるからだ。しかし、四半世紀前の『クシェサニ』は衝撃的であった。一般の音楽愛好家の間では絶大な人気を誇ったが、専門家からは本物と認められなかった。しかし、時を越えて大成功を収め、現在も非常に好んで演奏され、聴かれる作品となった。