「D. D. へ」
次に紹介するのは、ソネット形式を応用した詩である。ソネットとは、わずか14行の中で最後に山場を置いて締めくくることを基本とする定型詩で、古くはペトラルカやシェイクスピアに代表される詩型であるが、ミツキェヴィチはこの詩型を自由に扱いながら自分のものにしていった。
ただしこの恋愛詩のタイトルにあるイニシャルから、今回はマリラに宛てられたものではないことが分かる。実はミツキェヴィチは情熱的であるとともに、恋多き詩人でもあった。せっかくのバレンタインシーズンに失恋の詩ばかりでは暗い気分になってしまうので、先に述べたロマン主義時代の愛の詩の慣例からは外れるが、ここでは「幸せな愛」の表現を紹介しよう。
1. Moja pieszczotka, gdy w wesołej chwili
Pocznie szczebiotać i kwilić, i gruchać,
Tak mile grucha, szczebioce i kwili,
Że nie chcąc słówka żadnego postradać,
Nie śmiem przerywać, nie śmiem odpowiadać,
I tylko chciałbym słuchać, słuchać, słuchać.
2. Lecz mowy żywość gdy oczki zapali
I pocznie mocniej jagody różować,
Perłowe ząbki błysną śród korali,
Ach! wtenczas śmielej w oczęta poglądam,
Usta pomykam i słuchać nie żądam,
Tylko całować, całować, całować.[1]
1. 僕の愛しい人は、陽気な一時には
チュンチュン、ツピツピ、クークー囀り始める、
こんなにも愛らしくクークー、ツピツピ、チュンチュン啼くので、
どんな一言も漏らしたくなくて、
僕は敢えて止めず、敢えて返事もせず
そしてただ聴いて、聴いて、聴いていられたら。
2. しかしその小さな目がぱっと輝く時、言葉の陽気さが
頬をベリーよりも赤く染め始める、
真珠のような白い歯が、珊瑚の唇の中で煌めく。
ああ!この時、僕はより大胆にその目を見つめ、
口を突き出し、もはや聴くことを求めず、
ただキス、キス、キスを。