第19回ショパンコンクールを制するのは?
Chopin 2025――この秋、世界中の素晴らしいピアニストたちが、ワルシャワにやってくる。第19回フリデリク・ショパン国際ピアノコンクールの出場者・日程と、話題の参加者をチェック!
2025年5月4日、第19回フリデリク・ショパン国際ピアノコンクールの予備予選が終了した。今年のショパンコンクールには642人ものアーティストが出願し、DVD審査の結果を受け、28カ国から162名が予備予選に参加した。ピアニストたちは4月23日から5月4日にかけ、ワルシャワ・フィルハーモニー小ホールで、予備予選審査員・聴衆の前で演奏を行った。予備予選の審査員長はピョトル・パレチニ(Piotr Paleczny)が務めた。
ショパンコンクールに出場するのは?
第一次予選には、予備予選で選ばれた65人〔66人のうち1人は辞退〕に加え、その他のピアノコンクール(全ポーランド・フリデリク・ショパン・ピアノコンクール、パデレフスキ国際ピアノコンクール、リーズ国際ピアノコンクール、マイアミ国際ピアノコンクール、ボルツァノ国際ピアノコンクール、テル・アビブ国際ピアノコンクール、浜松国際ピアノコンクール)で優勝した19人のピアニストが参加する。
2025年ショパンコンクール出場者の出身国は?
10月のコンクールに出場する84名のピアニスト〔6名は二重国籍〕のうち、もっとも多いのは中華人民共和国の出身で29人。ポーランドは13人、同様に日本は13人で、米国(5人)、カナダ(5人)、韓国(4人)、台湾(3人)、イタリア(3人)、英国(3人)、フランス(2人)、「中立(ロシア出身)」(2人)のピアニストがそれに続き、ブルガリア、チェコ、ジョージア、ドイツ、マレーシア、ポルトガル、スペイン、ヴェトナムを代表するピアニストがそれぞれ1人ずついる。
ポーランド出身の2025年ショパンコンクール出場者
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ピョトル・アレクセヴィチ(Piotr Alexewicz)
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マテウシュ・クシジョフスキ(Mateusz Krzyżowski)
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アンジェイ・ヴィエルチンスキ(Andrzej Wierciński)
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アダム・カウドゥンスキ(Adam Kałduński)
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ヴィエット・チュン・グエン(Việt Trung Nguyễn)
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マテウシュ・ドゥビェル(Mateusz Dubiel)
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ミハウ・バシスタ(Michał Basista)
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アントニ・クウェチェク(Antoni Kłeczek)
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イェフダ・プロコポヴィチ(Yehuda Prokopowicz)
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ズザンナ・セイブク(Zuzanna Sejbuk)
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ヤン・ヴィドラシュ(Jan Widlarz)
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クシシュトフ・ヴィエルチンスキ(Krzysztof Wierciński)
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ピョトル・リシャルト・パヴラク(Piotr Ryszard Pawlak)
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第18回ショパン国際ピアノコンクール第4位入賞者、小林愛実。写真:Darek Golik / NIFC
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注目のピアニストたち
以前のショパンコンクールで聴衆に人気だったピアニストたちが舞台に再び戻ってくる。参加者の中には歴戦の強者も。アメリカのエリック・ルー(Eric Lu, 2015年の第17回コンクール4位)、カナダのエリック・グオ(Eric Guo, 2021年に第18回コンクール第一次予選に出場。2023年に第2回ショパン国際ピリオド楽器コンクールで優勝)、そして第18回コンクールのファイナリスト、中国のハオ・ラオ(Hao Rao)と韓国のヒュク・リー(Hyuk Lee)が出場する。
過去にショパンコンクール経験のあるポーランド人ピアニストも出場する。今秋、ワルシャワでコンクールに参加するピアニストのうち、第18回コンクールの第三次予選出場者はピョトル・アレクセヴィチ(2017年と2020年の全ポーランド・ショパンコンクールで2回とも優勝)、マテウシュ・クシジョフスキとアンジェイ・ヴィエルチンスキの3人。アダム・カウドゥンスキとヴィエト・チュン・グエンは第一次・第二次予選の段階で聴衆の心をつかんだが、第三次予選には進まなかった。第一次予選にのみ出場したピョトル・リシャルト・パヴラクは、第2回ショパン国際ピリオド楽器コンクールにおいてよりよい結果を収め、2位を獲得した。
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第18回フレデリク・ショパン国際ピアノコンクール優勝者、ブルース(シャオユー)・リウ。写真:Wojciech Grzędziński / NIFC
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2025年ショパンコンクールの開催日程
- 開会式 10月2日(ワルシャワ・フィルハーモニー)
- 第1次予選 10月3日〜10月7日
- 第2次予選 10月9日〜10月12日
- 第3次予選 10月14日〜10月16日
- 本選 10月18日〜10月20日
- 受賞者コンサート 10月21日〜23日
2025年コンクールで用いられるピアノ――どのピアノを選ぶ?
第19回ショパンコンクールの参加者たちがまずワルシャワで直面するのは、楽器の選択という重要な決定だ。演奏されるのは有名ブランドの7台のピアノで、ベヒシュタイン、ファツィオリ、カワイが1台ずつ、そしてスタインウェイとヤマハがそれぞれ2台ずつ。C・ベヒシュタインの楽器がショパンコンクールに復帰するのは数十年ぶりとなる。このドイツの会社のピアノは第二次大戦前後のピアニストによって演奏された。ワルシャワのコンクールで最も長い歴史があるのは創設当初から用いられているスタインウェイのピアノで、今日でも演奏者に最も頻繁に選ばれている。スタインウェイのピアノの人気は揺るぎなく、2021年の第18回コンクールでは75%の参加者がこのブランドの楽器を選んだ。出番が一番少なかったのはカワイのピアノだった。
ピアニストたちが楽器を決めるのに与えられた時間はわずか15分。並んでいるピアノの響きを一つずつ慎重に確かめる参加者がいるかと思うと、特定の好きなメーカーの楽器を選び、即座に決める人もいる。
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第19回ショパンコンクール、予備予選、4月24日、夜の部。写真:W. Grzędziński / NIFC
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第19回ショパンコンクールの審査員団
ピアニストたちの演奏は、今回初めて審査員長を務めるギャリック・オールソン(Garrick Ohlsson)率いる審査員団によって審査される。オールソンは1970年、第8回ショパンコンクールの覇者で、2015年の第17回コンクールで審査員を務めた。今回のコンクールで彼とともに審査員席に座るのは、ジョン・アリソン(John Allison)、ユリアンナ・アヴデーエワ(Yulianna Avdeeva, 2010年 第16回コンクール優勝)、ミシェル・ベロフ(Michel Béroff)、サ・チェン(Sa Chen, 2000年 第14回コンクール4位)、ネルソン・ゲルナー(Nelson Goerner)、クシシュトフ・ヤブウォンスキ(Krzysztof Jabłoński, 1985年 第11回コンクール3位)、ケヴィン・ケナー(Kevin Kenner, 1990年 第12回コンクール2位)、児玉桃、海老彰子(1980年 第10回コンクール5位)、ロバート・マクドナルド(Robert McDonald)、ピョトル・パレチニ(1970年 第8回コンクール3位)、エヴァ・ポブウォツカ(Ewa Pobłocka, 1980年 第10回コンクール5位)、カタジナ・ポポヴァ=ズィドロン(Katarzyna Popowa-Zydroń, 第17回・第18回コンクール審査員長)、ジョン・リンク(John Rink)、ヴォイチェフ・シフィタワ(Wojciech Świtała)、そしてダン・タイ・ソン(Đặng Thái Sơn, 1980年 第10回コンクール優勝)である。
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ユゼフ・クロフスキ(Józef Kurowski)《乾杯の音頭を取るフリデリク・ショパン》1837年。画像:国立ポローナ図書館
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2025年ショパンコンクールの視聴方法――ライブ配信と録画
ショパンコンクールの予選と本選はすべて、ラジオ、テレビ、SNS、モバイルアプリなど、各メディアで無料配信される。第19回フリデリク・ショパン国際ピアノコンクールはライブ視聴のみでなく、参加者の演奏終了後も録画された動画の視聴が可能だ。
オンライン配信・ストリーミング
- モバイルアプリ:Chopin Competition(iOSおよびAndroid)
- 国立フリデリク・ショパン研究所(Narodowy Instytut Fryderyka Chopina)公式YouTubeチャンネル
- ショパンコンクール公式ウェブサイト
- 中国のWeibo プラットフォーム
- 国立フリデリク・ショパン研究所のSNSプロフィール
テレビ
- TVP Kultura – コンクール演奏のテレビ放送のほか、4K画質のライブストリーム配信を行い、演奏終了後もオンデマンドで入手可能
ラジオ
- ポーランド・ラジオ第2放送(Polskie Radio Dwójka):コンクール演奏のライブ配信。「ドゥヴイカ」では、参加者とのインタビューやジャーナリスト・批評家の対談も聴くことができる。
- ポーランド・ラジオ・ショパン(Polskie Radio Chopin):ショパン、ピアノ音楽、クラシック音楽を中心に取り上げるポーランド放送のインターネット・ラジオ。
ショパンコンクールの賞は?
ショパンコンクール優勝者は金メダルと賞金6万ユーロを獲得する。第2位の人物は銀メダルと賞金4万ユーロ、第3位は銅メダルと賞金3万5千ユーロだ。第4位、第5位、第6位のピアニストにはそれぞれ3万ユーロ、2万5千ユーロ、2万ユーロが授与される。その他の本選の出場者はそれぞれ8千ユーロを獲得する。また、音楽団体や音楽協会、個人スポンサーから特別賞やその他の賞も授与される。
ショパンコンクールの終了後、受賞者たちは国立フリデリク・ショパン研究所とリュウ・コトウ・エージェンシー(Liu Kotow Agency)の協力のもと、ヨーロッパ・アジア・南北アメリカ大陸をめぐる世界ツアーを開始する。
執筆:フィリップ・レフ(Filip Lech)、2025年8月
日本語訳:柴田恭子、2025年9月