ラファウ・ブレハッチ出演
11月 2日(土) 東京芸術劇場 コンサートホール
11月 4日(月) 横浜みなとみらいホール
曲目
スタニスワフ・モニューシュコ:歌劇「パリア」序曲
ショパン:ピアノ協奏曲 第1番 ホ短調 作品11
ショパン:ピアノ協奏曲 第2番 ヘ短調 作品21
ラファウ・ブレハッチのショパンは“特別な音”に彩られているーー伊熊よし子(音楽評論家)
ラファウ・ブレハッチ[Rafał Blechacz]はショパン・コンクール優勝後、けっして焦ることなく自身の内なる声に耳を傾け、じっくりとレパートリーを広げてきた。ベートーヴェンもJ.S.バッハも、すべて彼の長年の研究と研鑽の成果が表れた演奏。いずれもブレハッチ特有の美しく自然で情感豊かな音に彩られている。
しかし、ブレハッチのショパンは“特別な音”に彩られている。ショパン・コンクールのときから私はこの繊細さと情熱、静謐さと激しさ、哀愁と歓喜、躍動と沈静、雄弁と寡黙など、相反する感情を表現する彼の深いピアニズムに魅了されてきた。
ブレハッチのショパンには、幼いころからこの作曲家の作品とともに歩んできた人だけがもつ“本物の音楽”が存在する。彼はいい意味で頑固だ。コンクールで優勝して周囲が騒ごうが、人気が出ようが、忙しくなろうが自身のペースを守り、迎合することなく意志を貫く。演奏会の回数を極力抑え、練習に没頭し、聴衆の心に響く音楽を奏でようと研鑽の日々を送る。そこにはマイペースを守り、本物の音楽を目指そうとする強い気持ちが見える。
「僕はショパンが生きた時代の音楽を蘇らせたいのです。あの時代は時間の流れがゆったりとし、人々は静かに物を考えることができました。僕はほんのひとときでも聴衆の心が休まる、そんな演奏をしたいと願っています」
そのブレハッチがポーランドを代表するワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団[Warsaw National Philharmonic Orchestra]と共演して、ショパンの2曲のピアノ協奏曲を演奏する。指揮は新たに音楽監督に就任したロシアの俊英、アンドレイ・ボレイコである。ワルシャワ・フィルはショパンの音楽を知り尽くし、その演奏に誇りをもっているオーケストラ。ブレハッチとは互いの呼吸を飲み込んでいる仲。ショパンのピアノ協奏曲2曲がこのコンビで演奏されるとはなんと幸せなことだろうか。ショパンの時代に心が浮遊し、至福のときを過ごすーーそんな時間が巡ってくる。
ラファウ・ブレハッチ Rafał Blechacz
ピアノ Piano
ラファウ・ブレハッチ©Marco Borggreve
1985年ポーランドのナクウォ・ナデ・ノテション生まれ。5歳からピアノを習い始め、第5回A・ルービンシュタイン国際青少年ピアノ・コンクール第2位(2002年、ビドゴシチ)、第5回浜松国際ピアノ・コンクールの1位なしの第2位(2003年)など数々の賞を獲得。
2005年、第15回ショパン国際コンクール優勝。マズルカ賞、ポロネーズ賞、コンツェルト賞、ソナタ賞(クリスチャン・ツィメルマンにより創設)、オーディエンス賞と全てを同時受賞し、同世代で最高のショパン弾きと認められた。
それから12年の時を経て、ブレハッチは真に世界的な名声を誇るアーティストの地位を確立している。彼のレパートリーはバッハ、モーツァルト、ベートーヴェン、リスト、ブラームス、ドビュッシー、シマノフスキと拡大を続け、その中からドイツ・グラモフォンより6枚のアルバムがリリースされた。2010年にはショパン生誕200年を記念してセムコフ指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管と録音したショパンのピアノ協奏曲1番、2番でドイツ・レコード批評家賞を受賞。2013年の「ショパン:ポロネーズ集」は発売と同時にゴールド・レコードに輝き、再びドイツ批評家賞を獲得。
この間の活動が高く評価され、批評家たちからはこれらの芸術的功績を讃えてキジアナ音楽院国際賞(イタリア)を2010年に贈られ、2014年1月には、「ピアノのノーベル賞」とも称されるギルモア賞(アメリカ)を受賞している。
デュトワ、ゲルギエフ、ハーディング、P. ヤルヴィ、ルイジ、ナガノ、ネルソンス、プレトニョフ、ヴィット、ジンマンなど世界的な指揮者と共演。
アンドレイ・ボレイコ Andrey Boreyko
音楽&芸術監督・指揮 Music & Artistic Director, Conductor
アーティス・ネイプルズの音楽監督に就任して5シーズン目を迎えたアンドレイ・ボレイコはその卓越したリーダーシップでネイプルズ・フィルハーモニックの芸術性を高めただけでなく、楽団に新しい強さをもたらした。
2018-19年シーズンは、世界中の主要オーケストラの人気客演指揮者として、スカラ座フィルハーモニー管弦楽団での客演に始まり、ベルリン放送交響楽団、ウィーン楽友協会にてウィーン放送交響楽団に登場予定の他、シドニー交響楽団への再訪も決まっている。
ボレイコは、ドイツ音楽出版協会より最も革新的なプログラム構成をした者に与えられる“ベスト・コンサート・プログラム・オブ・ザ・シーズン”を3シーズン連続で受賞。2019-20年シーズンに、新たにワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団の音楽・芸術監督に就任している。
ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団 Warsaw National Philharmonic Orchestra
ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団@Wiktor Zdrojewski
1901年11月5日、同楽団にとっての最初のコンサートを初代音楽監督エミル・ムイナルスキと世界的ピアニスト、作曲家、後に政治家となったイグナツィ・ヤン・パデレフスキで旗揚げをした。
創立当時から高い評価を受け、グリーグ、クレンペラー、プロコフィエフ、ラフマニノフ、ラヴェル、R.シュトラウス、ストラヴィンスキー、アラウ、ホロヴィッツ、ケンプ、ルービンシュタイン、サラサーテなど一流の音楽家たちが客演した。
1950年音楽監督兼首席指揮者にヴィトルド・ロヴィツキが就任、飛躍的な発展を遂げ、世界でも第一級のオーケストラに成長した。1955年2月21日には、第二次世界大戦中に爆破で破壊されたホール跡地に新しいフィルハーモニー・ホールが再建され、「国立フィルハーモニー」の称号を授与された。2019-20年シーズンには、アンドレイ・ボレイコが新たに音楽・芸術監督に就任。同楽団は、ペンデレツキやシマノフスキの作品などの録音により、権威あるレコード賞を受賞している一方で、ショパン国際ピアノ・コンクール創設当初から、本選でファイナリストたちの伴奏を担当している。
チケット情報、詳細については
ジャパン・アーツ公式サイトより
反田恭平出演
ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団
10月31日(木) 福岡シンフォニーホール(アクロス福岡)
11月1日(金) 富士市民文化会館(ロゼシアター大ホール)
11月3日(日・祝) フェニーチェ界(界市民芸術文化ホール)
主催:ジャパン・アーツ
提携:東京芸術劇場(公益財団法人 東京都歴史文化財団)
後援:外務省/駐日ポーランド共和国大使館/ポーランド広報文化センター
アダム・ミツキェヴィッチ・インスティチュート/KGHM Polska Miedź S.A./LOTポーランド航空
協力:ユニバーサル ミュージック
特別協賛:野村不動産ホールディングス
転載:ジャパン・アーツ 2019.10
編集:YNA