実証主義作家、オジェシュコヴァによる芸術的な植物標本集の数点は、個人のコレクションとして保存されてきたが、そこからグロドノ(Grodno)にあるエリザ·オジェシュコヴァ博物館、ロンドン近郊のマリア会修道院、ワルシャワの文学博物館、ヴロツワフのオソリネウム図書館などへと寄贈された。1966年にポズナン科学友の会が所蔵することになった植物標本集は、植物学的な記録としての特徴を持っている。280種の植物が収録されており、その外観や採取に関する情報、薬用としての活用方法、魔術的な意味などが、例えば「Skrypica――Silene inflata――シラタマソウ――ポーランド語の名が示すように、かすれ声·しゃがれ声に関連があり、実際に子どもの声がかすれた際の煎じ薬として用いられていた」のように記されている。
緑のビロードで装丁された、オジェシュコヴァの別の植物標本集は、現在ヴロツワフに所蔵されているが、その芸術性だけが際立っているわけではない。著者であるオジェシュコヴァは、これを慈善目的で寄贈し、標本集の最初のページにルヴフの住民に向けた呼びかけを記した。「行きなさい、愛するニェメン川ほとりの花々よ、ペウトフィア川(Pełtwia(現在ではPełtew)、現ウクライナを流れるポルツヴァ川)へと。そこにいる裕福な人々に、貧しく飢えた人々のためにひとかけらのパンを分け与えてくれるよう頼みなさい!」と。この植物標本集は400オーストリア=ハンガリー·グルデンで売られ、ルヴフで開催された全国総合博覧会で金賞を受賞した。
参考文献:
Anna Maria Kielak, Zaginiony zielnik Elizy Orzeszkowej(アンナ·マリア·キェラク『消えたエリザ·オジェシュコヴァの植物標本集』), aptekapodzlotymlwem.com.pl, 2022-07-04参照 ; Anna Kleiber, Eliza Orzeszkowa – pisarka i piewczyni nadniemeńskiej flory(アンナ·クレイベル『エリザ·オジェシュコヴァ――作家であり、ニェメン川沿いの植物相を称えた人』)[w:] "Białoruskie Zeszyty Historyczne", z. 12, 2009(『ベラルーシ史ノート』2009年12月号より); Barbara Kuźnicka, Zielniki i albumy florystyczne Elizy Orzeszkowej(バルバラ·クジニツカ『エリザ·オジェシュコヴァの植物標本集と植物図鑑』 [w:] "Kwartalnik Historii Nauki i Techniki", t.51/2, 2006(『科学·技術史 季刊誌』2006年51巻2号より); Józef Rostafiński, Porównanie tak zwanych zielników: Falimirza, Spiczyńskiego i Siennika(ユゼフ·ロスタフィンスキ『いわゆる植物標本集の比較:ファリミシュ、スピチンスキ、シェンニク』), Kraków 1888; Anna Suchecka, Badania interdyscyplinarne nad polskimi zielnikami drukowanymi(アンナ·スヘツカ『ポーランドの印刷された植物標本集に関する学際的研究』) [w:] "Wschodni Rocznik Humanistyczny", t.17, 2020(『東方人文学年報』2020年17巻より)); Alicja Zemanek, Odnalezienie prawdopodobnych śladów pierwszego polskiego zielnika królewny Anny Wazówny(アリツィヤ·ゼマネク『アンナ·ヴァズヴナ王女によるポーランド初の植物標本集と思われる痕跡の発見』) [w:] "Kwartalnik Historii Nauki i Techniki", t.41/3-4, 1996(『科学·技術史 季刊誌』1996年41巻3-4号より); zielnik.biol.uw.edu.pl
執筆:アグニェシュカ·ヴァルンケ(Agnieszka Warnke)、2022年7月6日
最終更新:2025年4月28日
日本語訳:スプリスガルト友美(Tomomi Splisgart)