コウノトリ Bocian
あれは鳥?それとも、飛行機?いいえ、これはもちろん鳥です。正確には、白いコウノトリ。
翼を広げると、2 メートルを超える長さにもなる大きさを思えば、ボチャンbocian を飛行機にたとえたくなるのも、無理はありません。この肉食鳥の世界での個体数の、実に四分の一にあたる90,000 羽が、毎年決まった時期は、ポーランドを住みかとしています。賢い彼らは、ポーランドの凍えるような冬を避けて南へと移動し、冬季はアフリカで過ごしますが、子どもを育てるため、いつも同じグニャズドgniazdo(巣)に戻ってくるのです。
彼らの巣は、ポーランドの田園風景でもひときわ目を引きます。巣は、近くに暮らす人びとに幸運をもたらすという言い伝えがあり、ポーランド人は、ボチャヌィbociany〔bocian の複数形〕を呼び寄せ、自分たちの家の屋根や近くの電柱の上に巣を作ってもらうため、土台となるような金属の枠組みをとりつけます。ボチャンたちにとっても、ポーランドに暮らせるのは幸運なことです。この国では、法律によって保護されているのですから。
ボチャヌィは幸福だけでなく、妊娠中の女性に赤ちゃんを運んでくれると、みな、知っています。この連想は、どのようにして生れたのでしょうか?毎年3月にやってくるボチャヌィが、春の訪れを知らせるからかもしれません。世の中には洞察力のある人がいるもので、これはノツ・クパウィNoc Kupały(もともとは夏至を祝う異教の祭りで、とてつもない乱痴気騒ぎが起こります)からちょうど9 ヶ月後であることに気がつきました。ボチャンと多産の連想を、「夏の夜の祭」に結びつける説が生じたのです。
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Text
季節はもう生まれ在所の松の木にコウノトリが飛んできて
白い翼を広げ初春の旗印とするところであった
Author
〔「第十一之書」1812年、工藤幸雄訳〕
『素粒子、象とピエロギと–101語のポーランド』(アダム・ミツキェヴィチ・インスティテュート発行)から抜粋。
書籍は6月18日開催のポーランド・フェスティバルにて2500円で販売されます。
執筆:マシュー・デイヴィス(Matthew Davies)
日本語訳:柴田恭子