ポーランドのイースターの伝統料理10選
白ソーセージ、ライ麦スープ、ケシの実やカッテージチーズを使ったケーキ…ポーランドのイースターの伝統料理の数々は、春らしい洗練された素晴らしい料理ばかりだ。
ビャワ・キウバサ(biała kiełbasa)-白ソーセージ
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ビャワ・キウバサ,撮影:アダム・クレシャ(Adam Kulesza)/ East News
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イースターの定番といえば燻製肉とハムだが、ビャワ・キウバサはその主役である。この白ソーセージは燻製していない豚の挽肉に牛肉と子牛肉を加え、薄い豚腸に詰め、塩・胡椒・ニンニク・マジョラムで味付けしている。茹でて食べるのが一般的で、西洋わさびやマスタード、あるいはチフィクワ(ćwikła)(赤かぶと西洋わさびの和え物)を添えることもある。次項で述べるジュレクの中に入れたり、イースターバスケットの中に他の食べ物と一緒に入れたりもする。
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ジュレク,撮影:カタジナ・クリフ(Katarzyna Klich)/ East News
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ジュレク(żurek)またはジュル(żur)は、自家製あるいは市販のライ麦発酵種から作るスープで、茹でた白ソーセージと半分に切ったゆで卵を入れる。イースター前の四旬節には食事節制を行う慣習があるが、昔はジュレクとニシンがその期間の主食だった。聖土曜日(*イースター前日の土曜日,四旬節最後の日)になる頃には人々はすっかりこの食べ物に飽きてしまい、スープの「祝祭の埋葬」をしたものだった。スープの入った鍋を埋めたり、スープを地面に流したりしたのだ。このように「埋葬中」でなければ、ジュレクは一年中食べられている。
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ピサンキ,撮影:マリアン・ズブジツキ(Marian Zubrzycki)/ Fotorzepa / Forum
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ポーランドのイースターは卵好きにはうってつけだ。卵は新しい命とキリストの復活の象徴である。ポーランドの卵にまつわる伝統には、卵に色をつけたり(この場合、卵はピサンキ(pisanki)と呼ばれる)、イースターバスケットに入れて教会でお清めを受けたり、今年一年の幸運を互いに祈りながら清めた卵を分け合ったり、そしてもちろん様々な調味料で食べたりすることが挙げられる。茹でても、詰めても、揚げても、マヨネーズをつけてもよく、卵はどの料理にも入っている。華やかな見た目の「デビルドエッグ」は半分に切ったゆで卵に、黄身・マヨネーズ・マスタード・玉ねぎ・西洋わさびを混ぜたものを詰めて作る。
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ニシン,撮影:アダム・クレシャ(Adam Kulesza)/ East News
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シレチとはニシンのことで、オランダやデンマークと同様にポーランドでも人気が高い。イースターとクリスマス両祝日の食卓に登場する。シレチはワタを抜き、一口大の切り身にして酢と油に漬けたものを、野菜を添えるなどして食べる。一般的には細かく刻んだ生の玉ねぎをたっぷりかける。イースターには自家製のニシンが欠かせないが、スーパーでは一年中瓶詰めの酢漬けを買うことができる。
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西洋わさび,撮影:ロマン・リプチンスキ(Roman Lipczyński) / Forum
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フシャン(chrzan)つまり西洋わさびの根をすりおろすと、揮発性の辛味成分が発生し涙が出るが、この辛味が肉の味を引き立たせるため、冷製肉には白や赤のわさびの付け合わせがよく合う。赤いタイプは赤かぶを加えており、チフィクワ(ćwikła)と呼ばれる。
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マズレク,撮影:バルトシュ・クルパ(Bartosz Krupa)/ East News
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ポーランドのイースターのケーキとしてまずご紹介したいのはマズレク(mazurek)だ。このレシピは17世紀にトルコから伝わり、普及し始めたと考えられている。マズレクの見た目は作る人によって異なる。平らなショートブレッドは様々な生地から作られ、トッピングも、マーマレード、チョコレートグレージング、ドライフルーツ、ナッツなど種類に富む。この甘いお菓子の可能性は無限なのだ。
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セルニク,撮影:ピョトル・イェズラ(Piotr Jedzura)/ Reporter
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セルニクは濃厚でクリーミーなベイクドチーズケーキで、アメリカ風のチーズケーキとは異なる。ポーランド特有のチーズ「トゥファルク(twaróg)」(*フレッシュチーズの一種)を使うのが要で、カッテージチーズ、クワルク、カード(凝乳)、リコッタなどに代えてはあの味は出ないだろう。トゥファルクはこれらのチーズよりも濃厚で甘く、水分が少なく、リコッタほど滑らかでない。文献によればセルニクの起源は古代ギリシャ・ローマに遡るという。正教会にはトゥファルクから作られるピラミッド型のパスハという菓子がある。
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バプカ,撮影:ピョトル・ヴォイナロフスキ(Piotr Wojnarowski) / Forum
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背の高いふわふわの酵母ケーキ「バプカ」は、こねずに作りリング状の型(バント・パン)で焼く。ラム酒のシロップやアイシングをかけることもあるが、慣習的にフィリングは入れない。名前は「おばあさん」を意味する単語に由来する。おばあさんが履くような幅広のプリーツスカートに形が似ているからかもしれない。
マコヴィエツ(makowiec)-ケシの実のケーキ
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マコヴィエツ,撮影:ルドミル・リポヴ(Lubomir Lipov) / East News
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マコヴィエツは、ケシの実をシュトゥルーデルのように巻いたロールケーキだ。主な材料はケシの実で、前述のバプカと同種の生地を使う。ザクザクした食感と木の実の風味が特徴で、砂糖のアイシングをかけることもある。
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イースターラム,撮影:バルトシュ・クルパ(Bartosz Krupa)/ East News
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羊の形をした砂糖菓子で、ポーランドでは伝統的にイースターの食卓やイースターバスケットを飾ってきた。多くの場合、十字の入った赤い旗のミニチュアが付いている。
執筆:Mai Jones(マイ・ジョーンズ)2014年4月2日
日本語訳・編集:秋山由衣、パヴェウ・パフチャレク(Paweł Pachciarek)2020年4月