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Podsumowanie
5月に東京と京都で音楽舞台劇『DZIADY祖霊祭』が開催される。東京では両国の劇場シアターX(カイ)、浅草の西徳寺、京都では徳正寺を舞台とし、ポーランドと日本の俳優が共演する。スラブの先祖供養の儀式と日本のお盆を重ね合わせ、先祖との交信における、ポーランド人と日本人に共通する感性を探る試みである。
Content
本公演の原作は、ポーランド・ロマン主義の代表作であるアダム・ミツキェヴィチAdam Mickiewiczの戯曲『祖霊祭Dziady』の第二部である。この作品は四部構成で、断片主義・緩い構成・文体の不統一といったロマン主義の戯曲の特徴が見られる。第二部と第四部では、死者の霊を呼ぶ土着(キリスト教以前)の風習を描いており、目に見える世界と見えない世界の統一と相互干渉の可能性を信じる民間信仰、また単純で直感的な道徳規範への称賛を表している。
本公演は、イェジ・グロトフスキJerzy Grotowskiによる演劇『祖霊祭Dziady』(1961)、またヴウォジミェシュ・スタニェフスキWłodzimierz StaniewskiとガルジェニツェGardzienice劇団による『Gusła(呪術儀式)』(1981)にインスピレーションを得て、ポーランドの田舎や都市の舞踊と日本の盆踊りに基づいて創造された舞台芸術である。音楽と舞踏会の雰囲気があり、何より従来の『祖霊祭』では無視されていた女性の力に満ちている。登場人物の呪術師は、儀式を執り行う祭司であると同時に、舞踏会の進行役でもある。しかし彼を女性と楽隊が見張っている。呪術師は彼女らに屈するか?招かれた霊が現れる。祖先の霊だ。どんな霊か?どんな魂か?沈黙と不動から舞踊によって解放された魂たちが舞踏会を支配する。「煉獄の魂よ、世界のいかなる場所にいようとも……」という呪文は世界の果てから魂を呼び、また「あなたの姿を長い間、長い間見せてください」という呪文は、脅威の霊として実現する。
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元駐日ポーランド共和国大使であり能の専門家のヤドヴィガ・ロドヴィチJadwiga Rodowicz氏が演出・構成を手掛けた。マニュハ・ビコントManiucha Bikont, ピョトル・ズゴジェルスキPiotr Zgorzelski, マルチン・ロレンツMarcin Lorenc他、ポーランド人俳優・ダンサー・音楽家が出演する。日本側からは観世流能役者の清水寛二、邦楽囃子の望月太左衛、また日系ポーランド人舞踊家ハナ・ウメダ(梅田波那)が出演する。
公演日程:
2019年5月21日19:00シアターX(東京都墨田区両国2-10-14 両国シティコア内劇場)
2019年5月23日14:00西徳寺(東京都台東区竜泉1-20-19)
2019年5月25日14:00徳正寺(京都府京都市下京区富小路通四条下る徳正寺町
典拠:Culture.pl、協力者提供資料、AW編集、2019年5月16日
日本語訳:YA、2019年5月17日