2011年11月18日-19日 東京
11月18日および19日、東京では前例のないイベントであるポーランド・ニューミュージック・フェスティバルが開催されました。ジャズ、アバンギャルド、即興音楽を演奏するポーランドの若手トップミュージシャンに加え、このジャンルで活躍する日本のアーティストが参加し、東京の聴衆を魅了しました。
ポーランド・ニューミュージック・フェスティバルは、ジョン・ゾーン、ビル・ラズウェル、大友良英など伝説的ミュージシャンがベースとする東京の新宿ピットインにおいて、世界最高峰の即興ジャズギタリストの一人である内橋和久をキュレーターとして開催されました。ポーランドからの参加ミュージシャンは、ゲラルド・レビック、アルトゥール・マイェフスキ、ピョートル・ザブロツキ、マチオ・モレッティ、ヤツェク・コハン、パトリック・ザクロツキ、パヴェウ・シャンブルスキ、ミハウ・グルチンスキ、バルテック・ティチンスキで、日本からは、内橋和久のほか吉田達也、巻上公一、外山明が参加しました。
初日は、ポーランドのミュージシャンによる30分ほどの短いアンサンブルや音楽プロジェクトが演奏されました。プログラム第一部はデュオに限定した演奏で、オープニングはSza Za(パヴェウ・シャンブルスキとパトリック・ザクロツキ)。イラストレイティブ・ミュージック、マイクロチェンバー・ミュージック、エレクトロ・アコースティック・エクスペリメントの境目にある、創造力あふれる演奏が聴衆をひきつけました。次に、経験豊かで著名なポーランドのインプロバイザー、ヤツェク・コハンと内橋和久のデュオ、どんな演奏をするか予測がつかないマチオ・モレッティとピョートル・ザブロツキのデュオLXMPが続きました。LXMPは、伝説的な日本のデュオ吉田達也の「ルインズ」のような強烈なロックのスピリットを込め、伝統的なリズムセクションとして演奏しました。第二部のオープニングはパトリック・ザクロツキ、ミハウ・グルチンスキ、内橋和久のTrio 146(バイオリン、クラリネット、電気ギター、ダクソフォン)の穏やかな即興演奏で始まり、パーカッション奏者・田中徳嵩をゲストに迎え、ポーランドのヴロツワフ市をベースとして活動中のマイクロコレクティブの演奏に続きました。初日の最後は、サクソフォン奏者ゲラルド・レビックが、マイクロコレクティブと田中のステージに加わり、演奏は田中・レビックデュオへとスムーズに続きました。
二日目はミュージシャンが自由に決めた10のユニットによる即興演奏が行われ、初日のミュージシャンに加えて、パーカッショニスト吉田達也、ヴォーカリスト巻上公一、パーカッショニスト外山明、ギタリストのバルテック・ティチンスキも参加しました。ステージではすべてのルールが消え去り、素晴らしい即興の音、そして初共演となるミュージシャンの間に生まれた巨大なエネルギーとケミストリーであふれました。ユーモアを含んだ演奏も多数ありました。こうした抽象的な音に徐々にパーフォーマンス・アートの要素が加わり、舞台の熱狂が聴衆に移っていきました。クラブを埋める聴衆とステージ上の演奏は完璧に共鳴していました。驚きにあふれた夜は、一人ずつステージに加わり、最後にすべてのミュージシャンの共演による美しく穏やかなコーダで幕を閉じました。
今回二日間にわたって日本で初となるポーランドの最新音楽の紹介が実現したのは、10年ほど前からポーランドの音楽家と協力している内橋和久のおかげです。氏は同フェスティバルのキュレーターであり、これまでのポーランド訪問経験と、6月にワルシャワとヴロツワフで行ったワークショップの結果に基づいてイベント参加者を選びました。
今回のフェスティバルには日本のジャズ・アバンギャルド音楽で最も著名な梅津和時、八木美知依、古舘徹夫も訪れ、ポーランド人ミュージシャンの演奏を賞賛していました。
今回のポーランド・ニューミュージック・フェスティバルは、8年前に初めてポーランドを訪問した吉田達也が企画した、ジャパン・ニューミュージック・フェスティバルに対する考え抜かれた返答だったと言えるかもしれません。
開催期間:2011年11月18日-19日
会場: 新宿ピットイン、東京都新宿区新宿2-12-4アコード新宿B1
主催: ミツキェヴィッチ・インスティトゥート
関連サイト:
この催しは、2011年ポーランド共和国のEU議長国就任を記念してアダム・ミツキェヴィッチ・インスティトゥート(AMI)がコーディネートしている国際文化交流プログラム「I, CULTURE」の一部です。プログラムの詳細はこちらをご覧くださいculture.pl。