コーヒーの香りを引き出すカフェ・デザイン
ポーランドが誇るのは、美しい歴史建築や自然、美味しいものだけではない。心底リラックスできる、今一番の素敵なカフェに行ってみよう。
クラブ・ベーカリー「ヴォダ」(Woda Klubokawiarnia)
クラブとベーカリーの性格をあわせ持つ、ビドゴシュチ(Bydgoszcz)市のカフェ。権威あるコンクール「レストラン・バー・デザイン賞2024」の「最高のカフェ」部門で受賞に輝いた。ビドゴシュチは西部との水運の拠点地で、ポーランドの「水の街」として知られる。カフェがあるのは旧市街の一部、ブルダ(Brda)河とその支流に囲まれたヴィスパ・ムウィンスカ(Wyspa Młyńska)に位置する「ムウィヌィ・ロテラ(Młyny Rothera)」〔ロテル製粉所〕の、歴史的な敷地内。コバルトブルーの床、タイルや家具が目を引く。青を基調とした装飾のため、カフェ全体が水浸しになっているかのような印象を受ける。店名の「ヴォダ(Woda)」はポーランド語で「水」を意味。
クラブ・ベーカリー「Woda」。設計:Znamy 建築事務所。写真:ONI Studio
カフェ・プロンス(Café Pląs)
ミレニウム世代・Z世代に最も人気のある、ワルシャワのカフェの一つ。カフェ・プロンスは18世紀に建てられた古典主義建築の宮殿、クルリカルニャ(Królikarnia)の中にある。モコトゥフ(Mokotów)地区にあるこの建物は第二次世界大戦時に破壊され、1960年代に再建された。周囲には、それ自体がクサヴェリ・ドゥニコフスキ記念彫刻美術館(Muzeum Rzeźby im. Xaverego Dunikowskiego)になっている公園がある。カフェ・プロンスの特徴は高い天井と大きな窓で、店内には光が美しく差し込む。ビンテージ家具、そして現代美術家・デザイナーのニコデム・シュプナル(Nikodem Szpunar)の絵が独特の装飾要素になっている。
ワルシャワ、クルリカルニャにある「Cafe Pląs」の店内。写真:Cafe Pląs(@cafe__plas/Instagram)
ヴェランダ・カフェ(Weranda Café)
ポズナン(Poznań)市の中心部にある、隠れ家的な居心地のよいカフェ。白い布の層で作られた天井が目を引く。紙製の鳥オブジェのおかげで、雲に手が届きそう。中庭では街の喧騒を忘れ、緑に浸ることができる。静けさと植物に囲まれ、真の安らぎを得られる、隠れたオアシスだ。
ポズナンの「Weranda Caffe」店内。写真:Weranda Caffe プレス資料
カフェ「ヤマ・ミハリカ」(Kawiarnia Jama Michalika)
古都クラクフに120年以上存在する、カルト的な芸術カフェ。アール・ヌーヴォー様式の装飾と「若きポーランド」芸術家が描いた多くの絵や、彼らゆかりの品々が美しい。ポーランド初の文学キャバレー、かの名高い「緑の風船(ジェロヌィ・バロニク Zielony Balonik)」(1905-1915)は、ここで誕生した。唯一無二の魅力を保ち、過ぎ去った時代を今なお伝える、生きた場所である。
クラクフのカフェ「Jama Michalika」の店内。写真:イェジ・オホチンスキ/PAP