ウエハースからカバノスまで ―ポーランドのおすすめお菓子
各国には伝統料理だけでなく、その国ならではのスイーツやスナック菓子がある。世界には驚くほど多様なチップスやクラッカー、チョコレートにゼリー、クッキーが存在する。ポーランドも例外ではない。ポーランドを訪れたら、郷土料理のレストランだけでなく、食料品店に立ち寄ることをおすすめしたい。ポーランドで一番おいしくて、定番で、そして奇妙奇天烈な(!)お菓子を求めて。それでは厳選お菓子をご紹介。
Ptasie Mleczko(プタシェ・ムレチュコ)やPrince Polo(プリンス・ポロ)などの有名なお菓子はきっともうご存知だと思うので、ここでは必ずしも有名ではないけれど、味では引けを取らず、何よりユニークなお菓子に焦点を当てる。思い切って試してみてください!今までにない味に出会えるかもしれません。
Mleko w tubce(ムレコ・フ・トゥプツェ)-チューブ入りミルク
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チューブ入りゴスティン・ミルク,撮影:ゴスティン酪農協同組合
おやつにコンデンスミルク?もちろん!とんでもなく甘く、とんでもなく濃厚で、とんでもなく粘りがある、かわいい小ぶりのチューブに詰められた加糖練乳は、多くの人の懐かしい思い出であり、今でも秘密の楽しみだ。最も有名なものはゴスティンGostyńの酪農協同組合による製品で、味もパッケージも昔のまま。オリジナル・ココア・キャラメルの三種類が選べる。
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リシャルト・マルチャクRyszard Marczak製菓会社(在カリシュ)製アンドルトィ・カリスキェ(カリシュ・ウエハース),撮影:アルカディウシュ・ヴォイタシェヴィチArkadiusz Wojtasiewicz / AG
ウエハースは1990年代初頭、子どもたちが学校の売店で買っては休み時間にちびちびかじった懐かしいお菓子だ。この丸くて薄い控えめな甘さのウエハースは、実はカリシュKaliszの名産品で、19世紀初めから作られ何十年にも渡って町の公園で売られていた。「Oblaty(オブラトィ)」(*円形のウエハース)という言葉は「犠牲」という意味のラテン語「oblatum」に由来する。「opłatek(オプワテク)」(*聖餅:伝統的なクリスマスのウエハース)の語源も同じだ。オブラトィはこのほとんど味のない、しかしやみつきになるお菓子のシレジア版である。
Szyszki z preparowanego ryżu(シシュキー)-ポン菓子(原語は「膨化米の松ぼっくり」の意味)
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共産主義政権下のポーランドで店に物がほとんどなかったとき、家庭で甘いお菓子を作るために人々は創意工夫を凝らした。クルフカ(ポーランド式キャラメルファッジ)、マーガリン、時にココアを少々、そして膨化米(これ自体おやつになる)を使って作ったポン菓子の「松ぼっくり」はその好例だ。甘くて、粘りがあって、簡単。そしてこれを作ることは子どもたちの大きな楽しみだ。
Galaretki w cukrze(ガラレトキ・フ・ツクシェ)-シュガーゼリー
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シュガーゼリー,撮影:Mader & Schmid / East News
昔、グミベアとゼリービーンズが入手可能になる前、1980年代の灰色のポーランドを明るくしたのが、このシュガーゼリーだ。柑橘類の果実のスライスに模した砂糖漬けのカラフルなゼリー。食品着色料、糖分の過剰摂取、うま味調味料(1990年代のポーランドでよく知られた)の時代の遠い記憶。人工的だけれど、でもやっぱりおいしい、罪悪感の喜び。もっと凝ったものにフルーツ味とミルク味が縞々になったブロック状のゼリーがある。
ポーランドには塩分と脂肪を切望する人たちのためにもおすすめがたくさんある。つまるところジャガイモと豚肉と粉物の土地なのだ、と言う人もいるくらいだ。でも、おいしい塩味スナックのために、他に何が要りましょう?
Słone paluszki(スウォネ・パルシュキ)-塩味のスティック
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スウォネ・パルシュキ,撮影:フランチシェク・マズルFranciszek Mazur / AG
学生のパーティや読書会その他低予算イベントの定番、スウォネ・パルシュキ。この塩味のスティックはポーランド屈指の人気スナック菓子だ。自国の発明品ではないけれど、1970年代からポーランドで人気になった。クラクフ近くのスカヴィナSkawinaのブランドLajkonik(ライコニク)と、Beskidzkie(ベスキツキェ)が現在ポーランドのスナック菓子業界を率いる新しいリーダーだ。細くてサクサクのプレッツェル。ゴマやケシの実をまぶしたものもある。
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カバノス,撮影:ピオトル・グラムジクPiotr Gamdzyk / Reporter / East News
カバノスは、味付けした乾燥豚肉で作った細長いソーセージである。カバノスという名前は「kaban」という言葉(おそらくトルコ語起源)に由来する。かつては質のいい、通常ジャガイモを食べて育った子豚を表すのに使われた言葉だ。このタイプのソーセージは20世紀初頭にはすでにポーランドで知られたが、実際に人気が出たのは第二次世界大戦の後である。カバノスは現在EUの「伝統的特産品保護」に指定されており、ポーランドが推す肉のおつまみである。
Przysmak świętokrzyski(プシスマク・シフィエントクシスキ)-「シフィエントクシスキの珍味」
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スナック菓子を自分で揚げようと思ったことがありますか?…変なことを言うと思われたでしょうが、これが「プシスマク・シフィエントクシスキ」の肝なのです。調理前の小麦粉またはジャガイモでできた格子状のスナックを買ってきて、自宅で揚げる。この一手間にもかかわらず、1988年以来の人気を誇る。キェルツェKielceのスポウェムSpołem協同組合が製造。評判の秘訣は、材料は小麦粉・油・塩だけというそのシンプルさ。
フリプスという名前の笑顔のウサギの大袋は、ポーランドの多くの子どもたちにおなじみだ。膨ませたコーンミールのスナック(味のないチートスの大きいのをご想像ください)はよりヘルシーでグルテンフリーなので、チップスの代わりに特に幼い子どもたちに親しまれている。
みなさん、いかがでしたか。一袋のスナック菓子の中にも、ポーランド料理の世界が詰まっていますね!
執筆:ナタリア・メントラク=ルダ(Natalia Mętrak-Ruda)2018年12月
日本語訳:秋山由衣、パヴェウ・パフチャレク(Paweł Pachciarek)2020年3月
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